言葉には出ないけれど
かつてアゴラの塾生として通ってくれたSくんと5年ぶりに再会しました。
社会科が振るわず、勉強の仕方が分からないと保護者と共に面談に来てくれたのです。
今や中学2年生となった彼は、よく見る「ふつー」の男子でした。
成績は「中の下」、部活に励み、ゲームに執心とのこと。
進路も気になるけれども日常の生活リズムを変えるほどの動機付けにはなっていません。
対話をしていて気になりました。
彼は考えて言葉を探しているようなのですが、
傍にいらっしゃる保護者が「何にも言わないんですよ」と割って入られるのです。
「待つ」という沈黙の時間が保証されず、本人も妥協してヨシとしています。
これでは、言語力も思考力も表現力も育ちません。
「教育にとって一番大切なことは『よく聞くこと』である。」特に
「心の声を聴くことである」と教わりました。
「心の声を聴く」とはどういうことでしょうか。
目の前の子どもの態度や言動がどうあれ、
否定しないこと、信じて寄り添い、徹して傾聴することではないでしょうか。
誰しも心の奥では認められたいと思っているはずです。
「あなたはありのままで満点だよ」
そう言ってSくんを受け入れ信じ抜く私になりたいと決意した面談でした。
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